風邪〜シンジ〜

ごほっごほっ!

 朝日がカーテンの隙間からのぞきこむ快晴である。だがその部屋の主、シンジの体調は最悪であった。

 ガラッ!

 勢いよく襖が開いた。

「こらバカシンジ!ご飯の用意はどうしたのよ?ヒカリと遊びに行くんだから早くしてよね」

 アスカはすでに着替えていた。朝食を食べてから行くのであろう。まだ眠っている(アスカにはそう見える)シンジに怒りが爆発しそうだ。

・・・・う、うんん・・・・用意するよ・・・・ごほっごほっ!

 シンジは体を揺らしながら起きようとする、アスカはいつもと違う姿にようやく気がついた。

「なっシンジ!アンタ顔色が悪いよ。どうしたの?」

なんだか昨日から・・・・・体が熱くて・・・・頭がクラクラするんだ・・・・ごほっごほっ!

 口に手をあて激しく咳き込む。

「それって風邪じゃないのよ、熱は・・・・少しあるわね」

 アスカは自分の額に左手を当て、シンジの額に右手を当て熱を比べた。シンジの方が少し熱い。

「まったく、無理するからよ。悪くなる前に寝れば良かったのに、昨日遅くまで起きていたんじゃないの?」

「・・・・・・・・・」

 シンジは唖然とした、昨日は確かに遅くまで起きていたがそれは色々と家事をしていたからである。同居人二人が手伝えば、もっと早く済むのだがその二人は手伝わない。

「まあいいわ、風邪引いているんなら朝食は勘弁してあげるわ。私は出かけるから帰ってくるまでに治しておくのよ!」

 ビシッと額に指を突きつけ部屋を出ていった。

「ぁっ・・・・・・・・」

 シンジはアスカの後姿を悲しそうな目で見つめた。

「ん?何シンジ」

 それに気づき振り返るが

「・・・・・・・・」

 喉が痛くて声が出ない。

「ああ、行ってきますね〜〜」

 アスカはウインクして家を出ていった。呆然と襖が閉まるのを見つていた。そして無気力のまま布団に入った。

 

 

 

 

 

 ガラッ!

 アスカが出ていってから数時間後、また襖が開いた。

「シンジ君〜居る〜、ご飯は〜?」

 ミサトである。今日は休日であり、先ほどまで寝ていたようである。小腹が空き台所に行ってみるが何も無い。となるとシンジの部屋に直行である。

ごほっごほっ!・・・・・・」

「あらどうしたの?」

風邪引いちゃったみたいです

 咳は大きいが声は小さい。

「あら〜引いちゃったの〜どれどれ?」

 ピト!

 額と額を合わせる。

な、なななななっミサトさん!

 赤くなるシンジ、風邪のせいだろうか?

「な〜に照れちゃってんのよ。このままチュ〜しちゃおうかしら」

 唇を尖がらせるミサト、シンジは逃れようと頭をガクガク揺らす。

「冗談よ冗談!シンちゃん、可愛い〜」

やめてくださいよ〜

「ふふ、安静にしてるのよん!」

 ミサトは笑いながら出ていった。シンジはため息をつき、布団に入る。

 

 

 

 ガラッ!

 そしてまた数時間後、襖が開いた。

「シンちゃ〜〜ん、お腹空いたでしょ?ミサト特製のカレーおかゆを作ってきたわよ」

「!!!!!!!」

 ウトウトと眠りかけていた処に衝撃の発言、耳を疑ったがミサトの持っているお盆の上には・・・・・異様な煙を出している鍋。

「これを食べれば風邪なんて一発で治るわよ」

「・・・・・・」

 確かに風邪は治るだろう。だが新たな病気?事故?が発生する。

「どうしたの、汗びっしょりねえ」

 額から瀧の様に流れる汗、恐怖の前に冷や汗だろう。シンジは体を動かしその場から逃げようとするが、風邪のせいで思うように動かない。

「ダメよ寝てないと、私が食べさせてあげるわね」

 ミサトは鍋から茶碗にタップリとカレーおかゆをつぎ、蓮華に一口ぐらいの量をすくった。

「はい、シンちゃん、あ〜〜〜んして」

 いい歳して、可愛い声を出すミサト、彼女の料理をしらなくて看病をしてもらっていたら恥ずかしながら、口を開けるのだろうが、シンジは料理の凄さを知っているので口を開こうとしない。もし開いて流し込まれたら死。

「遠慮しなくていいのよ。風邪の時は存分に甘えなさい。あ〜〜〜〜ん」

「ん〜〜〜ん」

「食べないと風邪が治らないわよ!」

 『食べたらもっと酷くなります!』と言いたかったが恐いのでやめた。

「意地でも開けないつもりね・・・・・こうなったら」

 こちょこちょこちょこちょ!!!

  わき腹をくすぐった。

「・・・・ぶ、ぶははははは!!」

 耐えきれずにおもわず口を開けた。

 キラ〜〜〜〜ン!

 獣を狙う眼のようにミサトの眼が光った。

「もらった!!!」

 がぶっ!

 シンジの口に禁断のカレーおかゆ混入。そして・・・

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 声にならない、悶えるシンジ、そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・沈黙。

「あらあら寝ちゃったの?まだあるのに〜。もぐもぐ我ながら上出来ね」

 沈黙した横で残ったカレーおかゆに口をつけ、絶賛する。

「寝て早く治すのよ」

 ミサトは布団をかけると部屋を出ていった。

 その後シンジは風邪は治ったのだが、原因不明の病気で1週間寝こんだのであった。


 掲示板でちょこっと描いた風邪ネタに少し足しました。

 シンジの風邪にアスカが出てきて、看病してそのままLASになるのもワンパターンなのでミサトさんにかえました。

 おかゆにも得意?のカレーをプラスするミサトさん、恐るべし!

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 風邪〜シンジ〜